「とんぶり」をご存知でしょうか?
その色と形から「畑のキャビア」とも呼ばれる、秋田県の名産品です。
この「とんぶり」、プチプチした食感が美味しく、栄養価も高い食材なんですよ。
どんな食材なのか、食べ方や栄養価についてもご紹介します。
『とんぶり』って?
「とんぶり」とは、お掃除に使うホウキの材料となる、「ホウキ草」の種子を乾燥させ蒸したものです。
黒に近い深緑で、プチプチ、プリプリとした食感が、世界三大珍味の高級品、チョウザメの卵「キャビア」に似てることから、「畑のキャビア」と呼ばれてきました。
海外では「マウンテンキャビア」と呼ばれているそうです。
原産地は中央アジアや西アジアで、中国を経て日本に伝わったそうです。
国内生産量は、秋田県が99%、鹿児島県が1%で、主に秋田の比内地方で栽培されてきました。
毎年、10月上旬頃から出回るそうです。
残念なことに、農家の高齢化と後継者不足により、栽培面積と生産量は少しずつ減少してしまっているそうなのです。
収穫後すぐには食べられず、手間暇かけて作業を行います。
乾燥させ、皮をむき、繰り返し洗浄し、いくつもの工程を経て、ようやく食べられる状態になるそうです。
『とんぶり』の栄養と効能
とんぶりは、漢方にもある!
とんぶりは、漢方においては「地膚子(ぢふし)」と呼ばれます。
中国では約3000年前から使わており、利尿作用があり、泌尿器系の改善に使用されます。
また腎炎の予防や、腹水による病気治療にも、効果があるとされています。
眼精疲労の改善、肝臓の炎症を抑えるともいわれています。
養生食として使われることもあるそうですよ。
ビタミン、ミネラルが豊富
とんぶりは様々な栄養素が含まれています
ビタミンとミネラルがバランスよく含まれています。
ビタミンAが多く含まれていているので、抗酸化作用や免疫活性作用があります。
また、ビタミンEも野菜類の中では多く含む方なのです。
ビタミンEにも活性酸素を除去して、細胞膜の脂質の過酸化を抑制する抗酸化作用があるため、アンチエイジングの効果もあります。
さらに、骨形成に必要なビタミンKも多く含まれます。
ゴボウより多いと言われる食物繊維
とんぶりは、食物繊維が非常に豊富なのも特徴的です。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
とんぶりには、不溶性食物繊維の比率が多く、大腸でしっかりと水分を吸収し、便のかさを増やし、腸壁を刺激、蠕動運動を促してくれるので、便秘改善の効果が期待できます。
便が腸内の有害物質を排出する働きがあるので、大腸がんの予防に有効です。
糖尿病予防にも!
とんぶりは、サポニンも多く含みます。
サポニンには、体内での脂質の代謝を促進する効果があり、血糖値の上昇を抑制してくれます。
そのため、糖尿病の予防と改善に効果があるそうです。
さらに、アルコールの吸収を抑える効果もあるので、悪酔いを防いでくれます。
お酒の好きなな方は、おつまみに打ってつけですね。
美味しい食べ方
とんぶり自体には、それほど主張する味はありません。
味よりも、食感を楽しむ感じでしょうか。
私がよく作る、超簡単レシピをご紹介します。
とんぶりと長芋の和え物
作り方
長芋…半分位
とんぶり…1パック位
ポン酢…大さじ1
ごま油…小さじ1
のり…適量
1、長芋を細めのスティック状に切ります。
2、とんぶり、ポン酢、ごま油と和えます。
3、海苔をちぎってかければ完成!
簡単で、とっても美味しいです。
納豆やとろろと和えて、ご飯に乗せるのも人気の食べ方ですね。
ドレッシングともよく合い、レタスやキュウリや大根などと合わせ、サラダにして食べることも多いです。
また、クラッカーにのせて、本物のキャビアみたいに食べる方もいるようです。
アボカドとマヨネーズ、ツナなどとも相性がいいので、オリジナルの食べ方を探すのも楽しいですね。
栄養たっぷりで美味しいとんぶり、プチプチ食感がクセになります。
秋田のとんぶり栽培、後継者不足などが解消して、受け継がれていくことを願ってます。
今まで食べたことない方も、お店で見かけることがあったら、試してみてくださいね!